古人の星空:三垣と二十八宿

最后修订时间:2026年10月18日

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Chujia Kuang(邝楚嘉)

独立研究者、中国広東省掲陽

連絡先(Corresponding author):Chujia Kuang、独立研究者、中国広東省掲陽。Correspondence: kuangchujia.com/contact

要旨

1978年、湖北省随県(現在の随州市)の擂鼓墩で、考古隊が戦国墓を開いた。墓の主は乙といい、曾国の国君で、後世はこれを曾侯乙と呼ぶ。墓で最も名高いのはあの編鐘である。同じ墓から、漆塗りの木製衣箱が一隻、番号 E.66 をつけて出土した。その蓋には、篆書の大きな「斗」の字を囲んで二十八の星名が並び、東に竜、西に虎が描かれている。本稿はこの器物を出発点とし、古人が空を分けた二つの方式を述べる。第一は二十八宿にじゅうはっしゅくであり、月が東へ巡る一夜ごとに一つずつ並べられ、黄道と天赤道に沿いその近くに設けられた星区である。宿とは何かを説き、二十八の名を定まった順序で四方七宿ずつに分けて列挙し、四つの守護獣——青竜・玄武・白虎・朱雀——を記し、その左右の配置が「南を向いて観測する」ただ一つの姿勢から導かれることを示す。第二は三垣さんえん、すなわち北天極の周りの紫微垣・太微垣・天市垣である。次いで、この格子が夕べと明け方にどう用いられ、位置を記し季節を推し量ったかを述べる。本稿は記述にとどまり、予測の主張を含まない。

蘇州《天文図》碑の部分、南宋、蘇州碑刻博物館
図 1 蘇州《天文図》碑の部分。南宋淳祐七年(1247)に王致遠が摹刻。碑は高さ 2.16 メートル、幅 1.08 メートル、星 1,434 顆を刻み、二十八条の放射線の外側に二十八宿の宿度を記す。蘇州碑刻博物館。
出典:Wikimedia Commons「Soochow Planisphere Detail.jpg」(パブリックドメイン)
著作権は原著者または原機関に帰する。削除が必要な場合は本サイトまで連絡されたい。

キーワード: 二十八宿;三垣;四象;天赤道;黄道;距星;曾侯乙漆箱;中国天文学

1. まず「宿」という字がある

「宿」は、宿泊の宿である。

月は星空の中を進み、毎日東へおよそ十三度ずつ移り、一日進めば、一片の天区を換える。一片の天区に一夜を宿す、旅の者が一日ごとに宿を換えるように。古人はこのリズムのままに、黄道と天赤道のあたりの星を順に二十八个の星区に分け、一つの星区を一「宿」と呼んだ。

中国の羅盤、方位目盛と磁針
図 2 中国の羅盤。方位目盛盤と磁針を一器にしたもの。同類器としての示意であり、司南の出土原物は存在せず、現存品は復原模型であるため本図はその代用ではない。
出典:Wikimedia Commons,Antic chinese Compass.jpg(Public domain)
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二十八宿は、二十八舎、二十八星ともいう。

後漢の王充が『論衡』に一句あり、この意味をきれいに言い切っている。

「二十八宿为日月舍,犹地有邮亭,为长吏廨矣。」

天上の星宿は日月の駅舎であり、地上の郵亭、すなわち行き来する官長が足を休める公廨のようなものである。

この一句は二十八宿の用途を指し示している。位置を記すことである。日月と五大惑星がどこへ行ったかを、古人は「某宿に入ること幾度」と一句記した。各宿にはさらに一つの星を標識として選び、これを距星きょせいといい、位置を量るにはそれを用いた。二十八个の升目を天に敷き広げれば、天に目盛りが生まれる。

前の幾篇が述べてきたのは、みな地上の目盛りである。年はどう来るか、月はどう来るか、日はどう切り分けるか、時辰はどう分けるか。二十八宿は天上のそれである。二組が合わさって、はじめて一枚の完全な底図になる。

『周礼』の春官に馮相氏という職があり、掌るのは歳・月・辰・日と二十八星の位置である。この数は経書にきわめて早く現れる。

2. 二十八の名前

二十八宿には定まった順序があり、角宿かくしゅくから起こり、西から東へ並び、月の動く方向と一致する。四方にそれぞれ七宿、四方にそれぞれ名がある。

方位 名 七宿
東 青竜せいりゅう(蒼竜) 角 · 亢 · 氐 · 房 · 心 · 尾 · 箕
北 玄武げんぶ 斗 · 牛 · 女 · 虚 · 危 · 室 · 壁
西 白虎びゃっこ 奎 · 婁 · 胃 · 昴 · 畢 · 觜 · 参
南 朱雀すざく 井 · 鬼 · 柳 · 星 · 張 · 翼 · 軫

このうちいくつかの字は読みにくいので、まず音を注す。亢はこう、氐はてい、箕はき、婁はろう、昴はぼう、觜はし、参はしん、軫はしんと読む。

もう二つ「斗」があり、混同しやすい。北斗七星は北天にあり、酒を掬うあの柄杓である。斗宿としゅくは南天にあり、六顆しかなく、南斗六星という。二口の「斗」は天極を隔てて向かい合い、古人は詩を作るにも、よくこの二つを対にして用いた。

二十八宿のうち、四顆は今日でも頭を上げて見分けられる。

心宿しんしゅくの核心は心宿二といい、古書ではこれを「大火」と呼ぶ。色は赤く、全天で最も明るい恒星の一つである。

昴宿ぼうしゅくは小さな星のひと塊で、目が良い人なら六、七顆がひしめくのを見分けられる。これが昴星団であり、西方はこれを七姉妹星団と呼ぶ。

参宿しんしゅくは今日のオリオン座にあたり、真ん中の三顆が一本の横線に並び、冬の夜に最も見分けやすい。

斗宿は、先ほど述べた南斗六星である。

3. 四組の動物名、一つの姿勢から

東の七宿は青竜、西の七宿は白虎、南の七宿は朱雀、北の七宿は玄武である。四匹の動物が二十八宿を四つに分け、合わせて「四象」という。『礼記·曲礼上』に一句ある。

「行前朱鸟而后玄武,左青龙而右白虎。」

唐の孔穎達がこれに疏を作り、きわめて率直に言う。

「朱鸟、玄武、青龙、白虎,四方宿名也。」

四方の宿名。この四つの名の下に指しているのは、二十八宿の四つの方位分区であり、四種の動物そのものではない。ついでに一言、『礼記』は「朱鸟」と書き、後世は多く「朱雀」と書くが、指すのはやはり同じ一組である。

では「左青竜、右白虎」の左右は、どこから来るのか。

一つの動作からである。南を向いて立つこと。

古人は星を見るのになんとなく南を向いた。春分前後の夕暮れ、南を向いて立ち定めれば、見上げる先は南天、朱雀がそこにある。左手は東天、青竜がちょうど昇ったところ。右手は西天、白虎が地平線に半ば隠れている。背後は北天、玄武はすでに沈んだ。四つの方位、四種の動物、すべて「南を向いて観測する」ただ一つの姿勢から導かれる。向きを換えて立てば、左右はたちまち乱れる。

二十八宿の四方分区:四方にそれぞれ七宿、東に青竜、北に玄武、西に白虎、南に朱雀

四象と二十八宿をこれほど整然と配するのは漢代以降に補われたものだ、と疑う学者もいる。だが漆箱の上で竜・虎と二十八宿が同じ一つの蓋にあり、この配し方に全く来歴がないと言うのは、通らない。

4. 天にはもう三つの「城」がある

二十八宿が掌るのは、黄道と天赤道に沿った一周の帯状の天区である。北天極のあたりの一片には、別の分け方があり、「三垣」という。

垣は牆(かき)である。三垣とは三つの城である。

紫微垣は北天極を巡り、古人は天帝の居所とした。北極星と北斗はどちらもこの一垣の中にある。太微垣は紫微垣の南にあり、朝廷であり、星名には官職が多く用いられる。天市垣はさらに南にあり、市(いち)であり、星名には列肆・車肆・斗・斛の類が並ぶ。みな商いと物を量る器物である。

三垣に二十八宿を加えれば、古人の目に映る星空の全体となる。この分け方はおおむね隋唐に定まり、上はさらに早くまで遡れる。北京城の紫禁城は、その配置を紫微垣に参照し、「象天設都」を重んじた。

前の一篇で時間を語り、地球の自転軸が空間の中でゆっくり円を描くことに触れた。極星の位置は変わり、「北極星」は永遠に或る一つの星に釘付けされているわけではない。この事は歳差を語る一篇に譲る。ここでは一句だけ覚えておけばよい。『考工記』が夜に方向を定めることを説くとき、用いるのは「夜考之极星」の五字である。その極星は、紫微垣にある。

5. この格子の使い方

二十八宿は飾りとして置かれているのではない。古人がこれを用いるのは、主として四つの時刻を見るためである。

ある宿が黄昏にちょうど東に出るのを昏見といい、黄昏に正南にかかるのを昏中、夜明け前に東に出るのを晨見、夜明け前に正南にかかるのを旦中という。

四つの時刻は四本の物差しである。同じ一つの宿が黄昏に正南に上るのは、一年のうちほんのひと区間だけである。毎日記しつけていけば、目の前がどんな季節かを逆に推し量れる。

この面はいったん置く。節気の専篇で「どの宿が正南に上ったら、どんな農作業をするか」を述べる。

二十八宿には、後に用いるもう一つの面がある。方位である。

夜にどうやって東西南北を見分けるか。満天の星はみな回っているが、ただ一か所だけほとんど動かない。その一か所を見つければ、方向が手に入る。

結び

漆箱に戻る。

箱蓋の二十八の字は、今日の人でも一つずつ見分けられる。二千四百年の間に、天の星の位置は少なからず入れ替わったが、この一組の升目の名と順序は、ほとんど変わっていない。

古人が天に格子を引いたのは、自分がどこに立っているかを知るためである。頭を上げれば、或る宿がちょうど真上にあり、方位が手に入る。

さらに先に語るのは、この事である。羅針盤のない年月に、一本の竿、二本の影、一つの動かない星が、どうやって東西南北を量り出したか。

A&Q

二十八宿とは何か。

黄道と天赤道のあたりに沿って分けられた二十八个の星区。一つの星区を一宿という。後漢の王充『論衡』は「二十八宿为日月舍」といい、日月の駅舎とする。

二十八宿はどう並ぶか。

角宿から起こり、西から東へ、月の動く方向と一致して並ぶ。四方にそれぞれ七宿、青竜・玄武・白虎・朱雀を配する。

「左青竜、右白虎」の左右は、どちらから数えるか。

南を向いて立つ。南を向けば左手は東天、右手は西天、背後は北天である。

三垣とは何か。

北天極近くの三つの「城」、紫微垣・太微垣・天市垣で、北から南へ並ぶ。二十八宿と合わせて、古人の目に映る星空の全体となる。

二十八宿は何の役に立つか。

位置を記し、季節も見る。ある宿の昏見・昏中・晨見・旦中を見れば、目の前がどんな季節かを逆に推し量れる。

邝楚嘉の註

二十八宿のこの一串の名は、初めは見慣れない字の堆(やま)に見える。順に読み下せば分かる。それは実は一枚の表である——天を二十八の升目に分け、日月五星の位置に一つの言い方を与えるための。古人が頭を上げて天を見て、最初に見て取ったのはこの事である。天にあるものはみな動いているが、動きには規則があり、記せて、推せる。暦法はこの規則から生えた。ここは土台である。後にお節気を語り、歳差を語るにも、この表に立ち返ることになる。

著者について

邝楚嘉、筆名は嘉言一得(Jiayan Yide)。中国広東省掲陽の独立研究者で、検証可能な一次資料と暦法データのアーカイブに専念している。

本欄は暦法・節気・干支・方位について書き、また読んだものについても書く。筆名「嘉言一得」は『史記』の「愚者千虑,必有一得」から来ている。誤って書いている箇所があれば、訂正を歓迎する。

ORCID: 0009-0002-7650-833X | OpenAlex: A5151908354

テキストについて

本稿は通俗的な解説であり、独自の研究を主張するものではない。引用した天文の定数は標準的な値である。この日本語版は、中国語原文と同じ記事の別言語版として併せて公開するものである。著者の名は邝楚嘉、Chujia Kuang。筆名を嘉言一得(Jiayan Yide)という。

中国語の術語は、語そのものが論の対象となる場合には、原の漢字のまま残した。

声明

資金提供。 本研究は外部からの資金提供を受けていない。

利益相反。 著者に申告すべき利益相反はない。

データの利用可能性。 本研究で新たに作成または分析したデータはない。

言語。 中国語原文は、本記録の付属ファイルとして登録されている(古人的星空:三垣与二十八宿)。

引用と出典

[1] 周礼 [Shūrei]. 先秦.

[2] 考工記 [Kōkōki]. 先秦.

[3] 礼記 [Raiki]. 西漢.

[4] 王充. 論衡 [Ronkō]. 東漢.

本文の図版は補足説明のためのものであり、証拠でも事実の根拠でもない。

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原著者を「嘉言一得(Chujia Kuang 邝楚嘉)」と明記し、原公開へのリンクを添えれば、転載・再配布・翻案(商用を含む)は自由である。
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本稿のデータはすべて、邝楚嘉が収集・整理した。


作者:嘉言一得(邝楚嘉)|独立研究者,致力于可核验的原始文献与历法数据归档。
Author: Chujia Kuang (邝楚嘉), pen name Jiayan Yide (嘉言一得) — independent researcher devoted to archiving verifiable primary sources and calendar data.
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